腰椎椎間板ヘルニア– お尻から脚に広がる痛み・しびれ –

腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛や脚の痛み・しびれ、画像検査との関係、自然経過、医療機関を優先すべき症状、当院での対応について解説します。
腰椎椎間板ヘルニア

更新日: 2026/10/05

「腰だけじゃなくて、お尻から脚までしびれる……これってヘルニアなのかな」—— そんな不安を抱えて、このページを開いてくださった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎(ようつい=腰の骨)の間にある椎間板(ついかんばん=骨と骨の間のクッション)の一部が後ろへ飛び出し、まわりの神経根(しんこんけい=神経の根もと)などに影響することで起こる状態です。腰の痛みだけでなく、お尻や脚の痛み・しびれ、感覚の変化、力の入りにくさなどが現れることもあります。

症状の出方は人によってさまざまです。腰痛が強い方もいれば、腰よりもお尻や脚の痛み・しびれのほうが気になる方もいらっしゃいます。また、MRIなどでヘルニアが見つかっても、今の症状のすべてがそれで説明できるとは限らないと考えられています。

そのため、画像だけで判断せず、痛みやしびれの場所、筋力や感覚の変化、どんな姿勢や動作で症状が変わるのかをあわせて確認することが大切です。

KAWAEカイロプラクティックでは、「飛び出した椎間板を押し戻す」「ヘルニアそのものを矯正する」といった考え方はしていません。私たちは、医療機関での診断内容や今の神経症状、身体の動きを丁寧に確認し、カイロプラクティックの施術が合っているかどうかを考えたうえで、対応するようにしています。

また、脚の筋力低下が進んでいる場合や、会陰部の感覚異常、排尿・排便の変化などがある場合には、カイロプラクティックよりも医療機関での評価を優先します。

CONTENTS

このような症状でお困りではありませんか?

腰椎椎間板ヘルニアでは、腰だけでなく、お尻から太もも、ふくらはぎ、足先にかけて痛みやしびれが出ることがあります。
思い当たる症状はありませんか?

  • 長く座っていると、腰や脚の症状が強くなる
  • 前かがみや物を持ち上げる動作で、症状が強くなる
  • 腰からお尻、脚にかけて痛みがある
  • お尻から太ももの後ろ側や外側に、痛みが広がる
  • 咳やくしゃみをしたときに、腰から脚へ痛みが響く
  • 左右どちらか一方の脚に、症状が続いている
  • 腰痛よりも、脚の痛みやしびれのほうがつらい
  • ふくらはぎや足先に、しびれを感じる
  • 足の感覚が鈍い、違和感がある
  • 足首や足趾(そくし=足のゆび)に力が入りにくいと感じる
  • MRIなどの画像検査で「腰椎椎間板ヘルニア」と言われた

腰椎椎間板ヘルニアの症状は、ヘルニアの位置や影響を受ける神経によって異なります。画像検査でヘルニアが見つかっても症状がほとんどない方もいれば、画像上の変化がそれほど大きくなくても、脚の痛みやしびれが強く出る方もいらっしゃいます。

そのため私たちは、「ヘルニアがあるかどうか」だけでなく、どこに痛みやしびれがあるのか、どんな姿勢や動作で症状が変わるのか、筋力や感覚に変化がないかを確認することを大切にしています。

また、脚の力が急に入りにくくなった場合や、排尿・排便の変化、会陰部の感覚異常などがある場合には、カイロプラクティックよりも医療機関での評価を優先する必要があります。

腰椎椎間板ヘルニアとはどのような状態でしょうか?

「ヘルニアって、椎間板が飛び出して神経を押しつぶしている状態なんだよね……?」—— そんなふうにイメージされている方も、多いかもしれません。

腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎の間にある椎間板の一部が後ろへ突出(とっしゅつ)・脱出(だっしゅつ)し、まわりの神経根などに影響することで、腰痛や脚の痛み・しびれなどの神経症状が現れることがある状態です。日本整形外科学会・日本脊椎脊髄病学会の診療ガイドラインでも、変性(へんせい=傷んだり弾力が落ちたりする変化)した椎間板組織が脊柱管(せきちゅうかん=神経が通るトンネル)の中へ突出・脱出し、神経への影響によって症状が現れる病態として整理されています。

椎間板は腰椎の間にある組織です

腰椎は複数の椎骨(ついこつ=背骨をつくる一つひとつの骨)が積み重なってできていて、その間に椎間板があります。
椎間板は、外側の線維輪(せんいりん)と、その内側にある髄核(ずいかく)などでできています。背骨に加わる力を受け止めながら、腰椎が動くための役割を担っています。
腰椎椎間板ヘルニアでは、椎間板の変性などに伴って、その一部が本来の位置より後ろへ突出・脱出することがあります。

ヘルニアにはさまざまな形があります

「椎間板ヘルニア」というと、髄核が完全に飛び出した状態を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際の形は一つではありません。
椎間板組織が比較的とどまっている状態から、線維輪を越えて脱出したもの、さらに一部が分離したものまで、さまざまな形があります。診療ガイドラインでも、突出・脱出・遊離(ゆうり=分離して離れること)など、複数の形が整理されています。
そのため、「ヘルニア」という名前だけで、症状の強さや今後の経過を判断することはできないんです。

神経根に影響すると脚に症状が現れることがあります

突出・脱出した椎間板組織が近くを通る神経根に影響すると、お尻から太もも、ふくらはぎ、足先などに痛みやしびれが現れることがあります。
また、神経への影響が強い場合には、感覚の低下や筋力低下を伴うこともあります。
ここで大切なのは、症状が単純な「物理的な圧迫」だけで決まるわけではない、という点です。椎間板ヘルニアでは、神経根への機械的な影響に加えて、まわりの炎症なども症状に関係すると考えられています。

「ヘルニアがある=必ず症状が出る」わけではありません

MRIなどでヘルニアが見つかっても、それだけで今の腰痛や脚の症状の原因だと判断できるとは限りません。
ヘルニアの大きさと症状の関係や、画像所見と実際の神経症状との対応については、診療ガイドラインでも別々に評価されています。
そのため、診断では画像だけでなく、次のような点をあわせて考えることが大切です。

  • 痛みやしびれが現れる場所
  • 症状が始まった経過
  • 筋力や感覚の変化
  • 神経学的な所見
  • MRIで確認された部位

「飛び出した椎間板を元に戻す」という考え方ではありません

腰椎椎間板ヘルニアは、単に「椎間板がずれて飛び出している」という状態ではありません。
そのため私たちは、外から押したり背骨を矯正したりして、突出した椎間板を直接元の位置へ戻すという考え方は、適切ではないと考えています。
また、腰椎椎間板ヘルニアでは、時間の経過とともに、突出・脱出した椎間板組織が小さくなる(退縮(たいしゅく)・吸収(きゅうしゅう)される)ケースがあることも知られています。その自然経過や、退縮の機序(きじょ=しくみ)についても、現在の診療ガイドラインで扱われています。(参照:Mindsガイドラインライブラリ)

腰椎椎間板ヘルニアでは、なぜ脚に痛みやしびれが出るのでしょうか?

「ヘルニアがあるのは腰のはずなのに、どうして脚までしびれるの……?」—— そんな疑問をお持ちの方も、少なくないと思います。

腰椎椎間板ヘルニアでは、突出・脱出した椎間板組織が近くを通る神経根に影響することで、お尻から太もも、ふくらはぎ、足先にかけて痛みやしびれが現れることがあります。

腰椎から出る神経は、脚の感覚や筋肉の働きに関係しています。そのため、神経根が刺激されたり圧迫されたりすると、腰そのものよりも脚の症状のほうが強く出ることがあるんです。日本整形外科学会も、腰椎椎間板ヘルニアを含む脊椎疾患では、神経根への影響によってしびれが生じると説明しています。(参照:https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/paralysis.html)

神経根への機械的な刺激が関係します

椎間板ヘルニアが神経根の近くに突出・脱出すると、神経根が圧迫されたり、刺激されたりすることがあります。
その結果、次のような症状が現れることがあります。

  • お尻から脚に広がる痛み
  • ピリピリ、ジンジンするしびれ
  • 感覚が鈍い感じ
  • 脚や足に力が入りにくい感じ

どの神経根が影響を受けるかによって、症状が出やすい場所や、筋力低下のパターンには、ある程度の傾向があります。

痛みは「圧迫」だけで決まるわけではありません

腰椎椎間板ヘルニアの脚の痛みを、「飛び出した椎間板が神経を押しているから」とだけ説明するのは、十分ではありません。
神経根への機械的な刺激に加えて、脱出した椎間板組織のまわりで起こる炎症反応なども、痛みに関係すると考えられています。

そのため、画像上のヘルニアの大きさだけで、痛みやしびれの強さを判断することはできないんです。実際の診断では、画像だけでなく、痛みの分布、筋力、感覚、腱反射(けんはんしゃ=ハンマーなどで腱をたたいて見る体の反応)などの神経学的所見(しんけいがくてきしょけん)をあわせて確認することが大切です。腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドラインでも、障害神経根(しょうがいしんけいこん=症状の原因になっている神経根)を見きわめるために、感覚障害、下肢痛の分布、筋力低下、深部腱反射などを評価することが示されています。

L4・L5・S1などで症状の出方に傾向があります

腰椎椎間板ヘルニアでは、特にL4・L5・S1(腰の骨や仙骨(せんこつ)の番号にあわせた、神経の呼び名)などの神経根が影響を受けることがあります。
一般的には、次のような場所に症状が現れる傾向があります。

  • L4神経根:太ももの前面から膝まわり、すねの内側など
  • L5神経根:下腿(かたい=ひざから下の部分)の外側、足の甲、母趾(ぼし=足の親ゆび)まわりなど
  • S1神経根:お尻、太ももの後面、ふくらはぎ、足の外側など

ただし、実際の痛みやしびれは、教科書どおりに分布するとは限りません。
そのため私たちは、「この場所がしびれるからL5」「ここが痛いからS1」というように、症状の場所だけで判断しないようにしています。

筋力や感覚に変化が現れる場合もあります

神経根への影響が強い場合には、痛みやしびれだけでなく、筋力や感覚にも変化が現れることがあります。
たとえば、

  • 足首や足趾を上げにくい
  • つま先立ちや踵立ちがしにくい
  • 左右で皮膚感覚に違いがある
  • 脚に力が入りにくい

といった症状です。
こうした神経学的な変化は、単なる痛みの強さ以上に重要な情報になることがあります。診療ガイドラインでも、筋力低下や感覚障害、深部腱反射などの評価が重視されています。

咳やくしゃみで脚に痛みが響くことがあります

腰椎椎間板ヘルニアによる神経根症(しんけいこんしょう=神経根が影響を受けて起こる症状)では、咳やくしゃみ、いきみなどをきっかけに、腰から脚へ痛みが強く響くことがあります。
こうした症状は、腰椎椎間板ヘルニアを考える手がかりの一つですが、それだけで診断できるわけではありません。診療ガイドラインでも、くしゃみで痛みが強くなることは、問診で確認する所見の一つとして挙げられています。

腰痛より脚の症状が強いこともあります

「腰椎」の椎間板ヘルニアであっても、必ずしも腰痛がいちばん強いとは限りません。
神経根への影響が中心の場合には、腰の痛みは比較的軽く、お尻や脚の痛み・しびれのほうが主な症状になることがあります。

そのため、腰痛の強さだけでなく、脚の症状の分布や、筋力・感覚の変化をあわせて確認することが大切です。

腰痛が強くない場合もあります

「腰はそんなに痛くないのに、脚ばかりしびれる……。これって本当にヘルニアなのかな」—— そんな戸惑いを感じている方もいらっしゃるかもしれません。

腰椎椎間板ヘルニアという名前から、「まず強い腰痛が出る」と思われがちですが、実際には腰の痛みはそれほど強くなく、お尻や脚の痛み・しびれのほうが目立つ方もいらっしゃいます。

腰椎から出る神経根が影響を受けると、症状は腰だけでなく、お尻、太もも、ふくらはぎ、足先などに現れることがあります。そのため、「腰はそれほど痛くないのに、脚の症状が強い」ということも、珍しくありません。

脚の痛みやしびれが主症状になることがあります

腰椎椎間板ヘルニアでは、次のような症状が、腰痛より強く出ることがあります。

  • お尻から脚にかけての痛み
  • 太ももやふくらはぎのしびれ
  • 足先の感覚の違和感
  • 脚に力が入りにくい感じ

特に神経根への影響が強い場合には、いわゆる坐骨神経痛(ざこつしんけいつう=お尻から脚にかけて走る神経に沿った痛みやしびれ)のような脚の症状が、前面に出ることがあります。

腰痛の強さだけでは状態を判断できません

腰痛が軽いからといって、神経への影響も軽いとは限りません。
逆に、腰痛が強くても、必ずしも神経根への影響が強いとは限りません。
そのため私たちは、腰痛の程度だけでなく、次のような点をあわせて確認することを大切にしています。

  • どこに脚の痛みやしびれがあるか
  • 感覚に変化がないか
  • 筋力低下がないか
  • どのような姿勢や動作で症状が変化するか
  • 症状が進行していないか

「腰が痛くないから腰とは関係ない」とは限りません

脚の痛みやしびれが強いと、「脚そのものに問題があるのでは」と考えてしまうこともあると思います。
もちろん、脚の症状がすべて腰椎由来というわけではありません。ただ、腰椎椎間板ヘルニアでは、腰の痛みが目立たなくても、神経根への影響によって脚の症状が現れることがあるんです。

そのため、症状の場所だけで原因を決めつけず、腰椎・神経・股関節などを含めて、状態を確認することが大切です。

画像でヘルニアがあっても、それだけで症状を説明できるとは限りません

「MRIでヘルニアがあると言われたから、きっとこれが原因なんだ……」—— そう思って、不安になっている方もいらっしゃるかもしれません。

MRIなどの画像検査で腰椎椎間板ヘルニアが見つかると、「このヘルニアが腰痛や脚のしびれの原因だ」と考えたくなるかもしれません。
実際に、突出・脱出した椎間板組織が神経根に影響して、脚の痛みやしびれなどの症状と関係している場合はあります。
一方で、画像上のヘルニアが、そのまま今の症状の原因を意味するわけではないんです。

画像上のヘルニアがあっても症状がないことがあります

MRIでは、症状のない方にも、椎間板の膨隆(ぼうりゅう=ふくらみ)や突出などがみられることがあります。
そのため、次のように言われた場合でも、画像所見(がぞうしょけん=画像から読み取れる情報)だけで、今感じている腰痛や脚の症状をすべて説明できるとは限りません。

  • MRIでヘルニアがある
  • 椎間板が飛び出していると言われた
  • 椎間板に変性があると言われた

大切なのは、画像所見と症状が一致しているかどうかです

腰椎椎間板ヘルニアが症状に関係しているかを考えるときには、画像だけでなく、次のような点をあわせて確認しています。

  • どこに痛みやしびれがあるのか
  • どの神経根の領域と一致しているのか
  • 筋力低下があるか
  • 感覚の変化があるか
  • 腱反射に変化があるか
  • どのような姿勢や動作で症状が変化するのか

たとえば、MRIで特定の神経根に影響するヘルニアが見つかり、その神経に対応する領域の痛み・しびれや筋力低下などが一致していれば、画像所見は大切な情報になります。

ヘルニアの大きさと症状の強さが比例するとは限りません

画像上でヘルニアが大きく見えると、「かなり重症なのでは」と不安になることがあると思います。
でも、ヘルニアの大きさと痛みやしびれの強さが、必ず比例するわけではありません。
神経症状には、物理的な圧迫だけでなく、神経根のまわりの炎症なども関係します。そのため、画像でどの程度突出しているかだけでは、症状の強さや日常生活への影響まで判断できないことがあります。

反対に、症状が強い場合は画像以外の情報も重要です

脚の痛みやしびれが強くても、「MRIで大きなヘルニアではないから問題ない」とは言い切れません。
特に、

  • 筋力低下が進んでいる
  • 感覚障害が広がっている
  • 足首や足趾を動かしにくい
  • 歩行に支障が出ている

といった変化がある場合には、画像所見の大きさにかかわらず、神経学的な評価が重要になります。

画像検査は重要ですが、画像だけで判断するものではありません

「画像と症状が一致しないことがある」ということは、MRIに意味がないということではありません。
MRIは、椎間板ヘルニアの位置や形、神経根との関係などを確認するうえで、大切な検査です。
大切なのは、画像を否定することでも、画像だけを重視することでもなく、画像所見と今の症状・神経学的所見をあわせて考えることだと思います。

私たちも、医療機関でMRIなどの検査を受けている場合には、その診断内容や画像所見を参考にしながら、今の痛みやしびれ、筋力・感覚、身体の動きなどを確認しています。
そのうえで、カイロプラクティックによる施術が適しているかどうかを判断するようにしています。

椎間板ヘルニアは自然に小さくなることもあります

「ヘルニアって、手術しないと治らないって聞いたけど……自然に小さくなることもあるのかな」—— そんな疑問をお持ちの方も、いらっしゃるかもしれません。

腰椎椎間板ヘルニアでは、時間の経過とともに、突出・脱出した椎間板組織が自然に小さくなったり、吸収されたりすることがあります。
そのため、画像でヘルニアが見つかったからといって、その状態がずっと変わらず続くとは限りません。また、すべての腰椎椎間板ヘルニアで手術が必要になるわけでもないんです。

飛び出した椎間板組織が吸収されることがあります

椎間板組織が本来の位置から脱出すると、身体がその組織を異物のように認識し、炎症反応や血管の新生(しんせい=新しい血管ができること)、免疫細胞(めんえきさいぼう=身体を守る細胞)の働きなどによって、少しずつ吸収されることがあります。
その結果、数か月からそれ以上の時間をかけて、MRIで確認されるヘルニアが小さくなる場合があります。
特に、椎間板組織が大きく脱出したタイプでは、突出が比較的小さいタイプよりも、自然退縮がみられやすいことがあります。
ただし、すべてのヘルニアが自然になくなるわけではありません。

ヘルニアが残っていても症状が軽くなることがあります

症状の改善と、画像上のヘルニアの大きさが、完全に一致するとは限りません。
MRIでヘルニアが残っていても、神経根のまわりの炎症が落ち着いたり、神経への刺激が減ったりすることで、脚の痛みやしびれが軽くなる場合があります。
そのため、
「MRIでヘルニアが残っている=まだ治っていない」
とは、単純に判断できないんです。
反対に、画像上ではヘルニアが小さくなっていても、しびれや筋力低下などの神経症状が残る場合もあります。

症状の経過を確認することが重要です

腰椎椎間板ヘルニアでは、画像の変化だけでなく、次のような臨床症状(りんしょうしょうじょう=実際に現れている症状)の経過を確認することが大切です。

  • 脚の痛みやしびれが軽くなっているか
  • 日常生活で動きやすくなっているか
  • 筋力低下が進んでいないか
  • 感覚の変化が広がっていないか
  • 歩行などに支障が出ていないか

症状が少しずつ軽くなっている場合には、保存的(ほぞんてき=手術をしない方法)に経過をみることが選ばれることもあります。

「自然に小さくなることがある」=放置してよい、ではありません

椎間板ヘルニアに自然退縮がみられることがあるからといって、すべてのケースで何もせず様子をみればよい、という意味ではありません。

特に、

  • 筋力低下が進行している
  • 足首や足趾が動かしにくくなっている
  • 両脚に強い症状がある
  • 会陰部の感覚異常がある
  • 排尿・排便に変化がある

といった場合には、自然経過を期待して待つのではなく、医療機関での評価を優先する必要があります。

大切なのは、画像と症状の両方をみることです

腰椎椎間板ヘルニアでは、画像上のヘルニアが自然に小さくなることもあれば、画像の変化が大きくなくても症状が改善することもあります。
そのため私たちは、「ヘルニアが何mmあるか」だけでなく、今の痛みやしびれ、筋力、感覚、日常生活への影響をあわせて確認することを大切にしています。

腰椎椎間板ヘルニアでは、どのような治療が行われますか?

「手術しないといけないのかな……できれば避けたいけど」—— そんな不安を抱えながら、このページを読んでくださっている方もいらっしゃるかもしれません。

腰椎椎間板ヘルニアでは、すべての方に手術が必要になるわけではないんです。
症状の程度や神経症状、日常生活への影響などを確認しながら、まず保存的治療を行って経過をみる場合があります。一方で、保存的治療を続けても症状が強く残る場合や、筋力低下が進行している場合などには、手術が検討されることがあります。日本整形外科学会・日本脊椎脊髄病学会の診療ガイドラインでも、保存的治療と手術療法の双方が治療選択肢として扱われています。

保存的治療で経過をみる場合があります

症状が比較的安定していて、重い神経障害がみられない場合には、手術をせずに経過をみることがあります。
保存的治療には、状態に応じて、次のようなものが用いられることがあります。

  • 薬物療法
  • 運動療法・理学療法
  • 日常生活や活動量の調整
  • 硬膜外注射(こうまくがいちゅうしゃ=神経を包む膜のすぐ外側に薬を入れる注射)など

診療ガイドラインでは、理学療法について、症状の緩和やQOL(生活の質)の向上を目的として、ストレッチ、筋力強化、有酸素運動などが行われることがあるとされています。

痛みがあるからといって、長期間安静にするとは限りません

急性期(きゅうせいき=痛みが出始めて間もない時期)には、痛みが強く動きにくい場合がありますが、症状が許す範囲で日常の活動を続けたり、少しずつ身体を動かしたりすることが検討されます。
ただし、無理にストレッチをしたり、脚の痛みやしびれを我慢して運動を続けたりする必要はありません。
運動の内容や量は、痛みの強さや神経症状などに合わせて調整することが大切です。

注射による治療が行われることもあります

脚の痛みが強い場合などには、医療機関で硬膜外への薬剤注入や神経根ブロック(しんけいこんブロック=神経のまわりに薬を入れて痛みをやわらげる注射)などが検討されることがあります。
これらは、痛みを軽くして、日常生活やリハビリテーションを行いやすくする目的で用いられる場合があります。
腰椎椎間板ヘルニアの診療ガイドラインでも、硬膜外副腎皮質ステロイド薬注入療法は、治療選択肢の一つとして検討されています。

手術が検討される場合もあります

保存的治療を行っても脚の痛みやしびれが強く残り、日常生活への支障が大きい場合には、手術が検討されることがあります。
また、下肢の運動麻痺が進行している場合には、手術療法が選択されることがあります。診療ガイドラインでは、保存的治療の効果が乏しい場合や進行する下肢運動麻痺などが手術を検討する重要な状況として挙げられています。

排尿・排便の異常などがある場合には緊急性があります

腰椎椎間板ヘルニアが大きく脱出し、馬尾神経に強い影響を及ぼすと、まれに重い神経障害が起こることがあります。
特に、

  • 尿が出にくい
  • 尿や便をコントロールできない
  • 会陰部の感覚が鈍い
  • 両脚の筋力が急に低下した

といった症状がある場合には、通常の保存的治療を続けながら様子を見る状況ではありません。

腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドラインでも、緊急手術の適応や、下垂足・膀胱直腸障害を伴う重度の神経障害が独立して扱われています。

手術を避けることだけを目標にはしません

「できれば手術はしたくない」と考える方も、少なくないと思います。
腰椎椎間板ヘルニアには、自然に症状が軽くなったり、ヘルニアが退縮したりするケースがあり、保存的治療で経過をみることもあります。一方で、必要な手術まで避けることが最善とは限りません。
症状の経過、筋力・感覚の変化、日常生活への影響、画像所見などを総合して、整形外科などで治療方針を相談することが大切です。

私たちも、医療機関で診断・治療を受けている方に対して、その治療をやめてカイロプラクティックへ切り替えていただくことを前提にはしていません。

KAWAEカイロプラクティックで行う腰椎椎間板ヘルニアの方へのアプローチ

「脚がしびれているのに、腰を矯正されるのは怖い……。ヘルニアでも、カイロプラクティックを受けて大丈夫なのかな」—— そんな不安を感じている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

腰椎椎間板ヘルニアでは、画像上のヘルニアの大きさだけでなく、どこに痛みやしびれがあるのか、筋力や感覚に変化がないか、どんな姿勢や動作で症状が変わるのかを確認することが大切です。
私たちは、「ヘルニアだから腰を矯正する」と一律に考えるのではなく、医療機関での診断内容や今の神経症状を確認し、カイロプラクティックによる施術が合っているかどうかを判断するようにしています。
また、私たちの施術は、突出・脱出した椎間板を外から押して元の位置に戻すことを目的としたものではありません。

症状の経過や医療機関での診断内容を確認します

まず、いつ頃から症状が始まったのか、どんなきっかけがあったのか、今どこに痛みやしびれがあるのかをうかがっています。
特に、次のような点をお聞きします。

  • 腰痛があるか
  • お尻・太もも・ふくらはぎ・足のどこに症状があるか
  • 片脚だけなのか、両脚なのか
  • 座位(ざい=座った姿勢)や前かがみで症状が変化するか
  • 咳やくしゃみで脚に痛みが響くか
  • 足に力が入りにくくなっていないか
  • 感覚が鈍い部分がないか
  • 症状が改善しているのか、悪化しているのか

MRIなどの画像検査を受けている場合には、医療機関でどんな説明を受けたかについてもお聞きしています。

脚の筋力や感覚などの神経症状を確認します

腰椎椎間板ヘルニアでは、痛みやしびれだけでなく、筋力や感覚に変化が現れることがあります。
必要に応じて、次のような点を確認しています。

  • 足首や足趾の筋力
  • つま先立ち・踵立ち
  • 皮膚感覚
  • 腱反射
  • 脚を動かしたときの症状の変化

特に、筋力低下が進行している場合や、神経症状が悪化している場合には、カイロプラクティックよりも医療機関での評価を優先します。

腰だけでなく股関節などの動きも確認します

脚の痛みやしびれがある場合でも、腰椎だけを見ているわけではありません。
必要に応じて、次のような点も確認しています。

  • 腰椎の動き
  • 股関節の動き
  • 骨盤まわりの動き
  • お尻や下肢(かし=脚)の状態
  • 立ち上がりや歩行などの日常動作

これは「ヘルニアの本当の原因が腰以外にある」と考えているからではなく、今の症状と身体の動きとの関係を整理して、日常生活のどこに負担がかかっているのかを確認するためなんです。

状態に応じてカイロプラクティック・アジャストメントを行います

身体の状態を確認し、施術が合っていると判断した場合には、必要に応じてカイロプラクティック・アジャストメント(背骨や関節に行う、手技による調整)を行います。
施術する部位や方法は、症状の強さや神経症状、身体の動きなどによって変わります。
腰椎椎間板ヘルニアだからといって、次のような施術を一律に行うわけではありません。

  • 強く腰をひねる
  • 椎間板を押し戻す
  • 骨盤や背骨を「正しい位置」に戻す

症状が強い場合には、痛みや脚の症状を誘発(ゆうはつ=引き起こすこと)する動きや姿勢を避けながら、無理のない範囲で対応しています。

筋肉・軟部組織にも必要に応じてアプローチします

腰まわりやお尻、股関節まわりなどの筋肉・軟部組織(なんぶそしき=筋肉や腱などのやわらかい組織)に、緊張や動かしにくさがある場合には、必要に応じて施術を行います。
ただし、「筋肉をほぐせばヘルニアが戻る」「神経の圧迫が解除される」といった考え方ではありません。
身体を動かしやすくして、日常動作の負担を減らすための一つの要素として、その方の状態に合わせて施術を組み合わせています。

日常生活や身体の動かし方についてもアドバイスします

腰椎椎間板ヘルニアでは、座る、立つ、前かがみになる、物を持ち上げるといった動作で、症状が変わることがあります。
そのため、必要に応じて、次のようなアドバイスをしています。

  • 長時間同じ姿勢を続けない
  • 症状が強くなる動作を一時的に工夫する
  • 無理のない範囲で身体を動かす
  • 症状の状態に合わせたエクササイズを行う
  • 仕事や日常生活での身体の使い方を見直す

「安静にしていればよい」「痛くても動かしたほうがよい」と一律に決めるのではなく、症状の程度や神経症状、回復の経過に合わせて調整することを大切にしています。

医療機関での治療と並行して考えることもあります

すでに整形外科などで腰椎椎間板ヘルニアと診断され、薬物療法やリハビリテーションなどを受けている場合でも、それらをやめていただくことを前提にはしていません。
医療機関での診断・治療方針を確認しながら、カイロプラクティックによる施術を併用できる状態かどうかを判断しています。
また、筋力低下の進行、会陰部の感覚異常、排尿・排便の変化などがある場合には、無理に施術を続けず、医療機関での評価を優先します。

このような場合は、まず医療機関へ

腰椎椎間板ヘルニアでは、多くの場合は保存的治療で経過をみますが、神経症状が進行している場合や、馬尾神経に強い影響が疑われる場合には、カイロプラクティックよりも医療機関での評価を優先する必要があります。
特に、次のような症状がある場合には、早めに整形外科などの医療機関へ相談してください。

  • 脚の筋力低下が進んでいる
  • 急に脚に力が入りにくくなった
  • 足首や足趾を持ち上げにくくなった
  • 歩いていると足が引っかかる、つまずきやすくなった
  • 両脚に強い痛みやしびれが出ている
  • 会陰部やお尻の内側の感覚が鈍い、分かりにくい
  • 尿が出にくい、排尿しても残っている感じが強い
  • 尿や便をコントロールしにくくなった
  • 脚の症状が短期間で急速に悪化している

腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドラインでも、重い運動障害や馬尾障害が出現した場合には早期の手術が望ましいことがあるとされています。Mindsガイドラインライブラリ

排尿・排便の変化や会陰部の感覚異常には特に注意が必要です

大きな椎間板ヘルニアなどによって馬尾神経が強く障害されると、まれに馬尾症候群が起こることがあります。
馬尾症候群では、

  • 尿が出にくい、尿閉
  • 尿や便を漏らしてしまう
  • 会陰部の感覚が鈍い
  • 両脚の感覚障害
  • 両脚の筋力低下

などが現れることがあります。
**このような症状がある場合には、カイロプラクティックやセルフケアで様子をみるのではなく、速やかな医学的評価が必要です。**ガイドラインでは、馬尾障害において排尿障害や会陰部感覚障害などが重要な所見として挙げられています。Mindsガイドラインライブラリ

足に力が入りにくくなっている場合も注意が必要です

痛みやしびれだけでなく、筋力の変化も重要です。
たとえば、

  • 足首を上に反らしにくい
  • 足趾を持ち上げにくい
  • 踵歩きやつま先立ちがしにくくなった
  • 片脚だけ明らかに力が入りにくい
  • 歩行時に足先が引っかかる

といった変化がみられる場合には、神経への影響が強くなっていないか確認する必要があります。
**特に筋力低下が進行している場合には、痛みがそれほど強くなくても医療機関での評価を優先します。**日本整形外科学会の患者向け資料でも、下肢の脱力や排尿・排便障害が出現した場合には手術が行われることがあると説明されています。日本整形外科学会

痛みの強さだけで緊急性を判断するわけではありません

腰や脚の痛みが強いからといって、それだけで重い神経障害があるとは限りません。
反対に、痛みがそれほど強くなくても、筋力低下や排尿・排便機能の変化などがある場合には注意が必要です。
そのため、「どれくらい痛いか」だけでなく、筋力・感覚・排尿排便機能などに変化がないかを見ることが重要です。
私たちも、腰椎椎間板ヘルニアと診断されている方について、症状の経過や神経症状を確認し、医療機関での評価を優先した方がよいと判断した場合には、無理に施術を行いません。

腰椎椎間板ヘルニアに関連する症状・ページ

腰椎椎間板ヘルニアでお悩みの方へ

「脚のしびれ、このまま誰に相談すればいいんだろう……」—— そんな思いで、このページまで読み進めてくださった方もいらっしゃるかもしれません。

腰椎椎間板ヘルニアでは、腰痛だけでなく、お尻から脚にかけての痛み・しびれ、感覚の変化、筋力低下など、症状の現れ方が人によって異なります。

私たちは、MRIなどの画像所見だけで判断するのではなく、今どんな症状があるのか、筋力や感覚に変化がないか、どんな姿勢や動作で症状が変わるのかを確認しています。
そのうえで、カイロプラクティックによる施術が合っていると判断した場合には、腰だけでなく股関節や骨盤まわりの動きも確認しながら、その方の状態に合わせて、施術や日常生活でのアドバイスを行っています。

私たちの施術は、突出・脱出した椎間板を外から押して元の位置に戻したり、ヘルニアそのものを「矯正」したりすることを目的としたものではありません。また、すでに整形外科などで治療や経過観察を受けている場合でも、その治療をやめていただくことを前提にはしていません。

「腰椎椎間板ヘルニアと診断されているけれど、カイロプラクティックを受けてもよいのか」「脚の痛みやしびれについて相談したい」といった場合には、ご予約の前にご相談いただくこともできます。

なお、脚の筋力低下が進んでいる場合や、会陰部の感覚異常、排尿・排便の変化などがある場合には、カイロプラクティックよりも医療機関での評価を優先します。

腰椎椎間板ヘルニアによる腰や脚の症状でお困りの方は、今の状態を確認したうえで、施術が合っているかどうかも含めて、どうぞお気軽にご相談ください。

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