心と身体のバランスを整える自律神経について

自律神経失調症とは
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緊張して心臓がバクバクしたり、リラックスして身体がダルくなり眠くなるのは自律神経のしわざ

受験や面接、初めてのプレゼン、車にはねられる直前、落ちたら死亡確実な斜面の山登りなど、緊張して手に汗を握り、心臓がバクバクするような経験は誰もが一度は経験したことがあるでしょう。車にはねられたり、ヤバい斜面の山登りの経験がある人は少ないかもしれませんが、私にはあります…。このような状況に直面すると、私たちの身体やこころは精神が集中し身体が興奮状態になった「戦闘モード」に入ります。英語で表現すると「Fight or Flight」Response、つまり「闘争・逃走」モードです。天敵や危機に直面した動物が見せる反応が「闘争」もしくは「逃走」なのですが、人間でもそうですね。

戦闘モードや逃走モードを生物学的に説明すると、「外界からの危険やストレスを感じた時、それに対応するために身体の機能を高めた状態」になります。この状態では心拍数や血圧が上がり、危機に備える態勢を整えます。危険に立ち向かい戦うか、その危険な状況から脱出するために逃走する準備を整えるわけです。そして戦闘モード(逃走モード)は、緊張を強いられる状況から脱するとすみやかにスイッチが切られ、リラックスしてホッとした「休息モード」に入ります。これも英語で表現すると「Rest or Digest」Response と呼ばれ、「休息」や「消化」するために身体を落ち着かせるスイッチが入ります。

周囲の状況に応じてうまくモードを切り替える自律神経

戦闘モードと休息モードがうまい具合に切り替えられるのはどうしてかというと、「自律神経」という神経系が働いてくれているからなのです。手足を動かす運動神経は自分の意志で働かせることができますが、自律神経の働きを自分の意志で制御することは不可能です。無意識のうちに「自律的」に働いてくれる神経系が、体内の状態を常に一定範囲内に保ち(恒常性(ホメオスターシス)という)ながら、外界の状況の変化に対応することで、生物としての生存を助けてくれているのです。

自律神経は主に2種類あり、「交感神経」と「副交感神経」に分けられます。交感神経と副交感神経は異なる経路で同じ臓器に接続していて、例えば心臓には第1~第4胸髄 (T1~T4)から交感神経が、脳幹から迷走神経という名前の副交感神経が繋がっています。このように同じ臓器に2つの相反する神経が接続することで、戦闘モードと休息モードを切り替えられるようになっているのです。

心臓に対して交感神経はアクセルの役目を果たしていて、戦闘モードに入ると心拍を増やし血圧を高める方向に、休息モードに入ると副交感神経が心拍を減らす方向に作用します。胃腸に対しては、戦闘モードの場合は交感神経が消化・吸収機能を弱め、休息モードに入ると副交感神経が消化・吸収機能を活性化します。

交感神経と副交感神経からなる自律神経は、正常であればアクセルとブレーキをうまく使いこなして身体の健康を自律的に操縦してくれますが、それがうまくいかなくなることがあります。その自律神経のバランスが崩れた状態のことを「自律神経失調症」といい、身体にさまざまな不調を引き起こします。

背骨のゆがみや首肩の筋肉のコリも自律神経の不調の原因の一つ

自律神経失調症といっても、人によって様々な症状があらわれます。立ちくらみや動悸息切れ、疲労感や眠気、吐き気や下痢や便秘など、いろいろあげられます。原因も様々で、肉体的・精神的ストレスが代表的な引き金だと言われていますが、ハッキリしないことも多いです。

これは病院だとチェックしないことなのですが、首肩周りの筋肉のコリ・緊張や、頚椎や胸椎のゆがみが自律神経に影響を与えていることがあります。後頭部で耳の後ろに触診できる第1・第2頚椎 (C1・C2)のゆがみやその近くの筋肉は、副交感神経の一つである「迷走神経」を刺激する可能性があります。頚椎のゆがみや首肩の筋肉のコリが迷走神経を刺激すると、ブレーキの役割を果たす副交感神経のスイッチが強く入ってしまい、身体が強制的に休息モードに入ってしまうのです。するとめまい・立ちくらみ・疲労感・眠気などのように、身体を休息させようとする反応が起こってしまいます。

そして胸椎のゆがみの方が強い場合、これはアクセルの役割を果たす交感神経のスイッチが入ってしまい、休息したくても戦闘モードのスイッチが入りっぱなしという状態になってしまうのです。この場合では、身体の力が抜けない・動悸がする・肩こり・腰痛・頭痛・多汗・高血圧など、身体を緊張させる反応が強くなります。

通常は自律神経失調症の原因がハッキリ分からない事が多いのですが、首肩の痛みやコリ、背中の痛みやコリが気になる場合は、一度背骨や筋肉のコリをチェックしてみることをおすすめします。頚椎や胸椎のゆがみをアジャストし、周囲の筋肉の緊張を和らげることで交感神経・副交感神経のバランスが整い、自律神経の機能が回復することは珍しくありません。筋肉のコリをほぐすだけならマッサージで十分ですが、背骨のゆがみが自律神経失調症に影響している場合はカイロプラクティックの治療院で背骨のチェックアップと施術を受けることをおすすめします。

自律神経失調症とは

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