【骨盤のはなし1】骨盤の構造について教えてください!

骨盤の構造について

骨盤という言葉は知っていても、骨盤の構造・動き・歪みについて知っている人は少ないでしょう。ここではまず骨盤の構造について解説いたします。

目次

「骨盤」は1つの骨ではなく、3つの骨でできています

まず骨盤を正面から見ると、左右にある羽のように広がった大きな骨が「寛骨(かんこつ)」と呼ばれます。その間の中央にある逆ピラミッドな形の骨が背骨の土台である「仙骨(せんこつ)」です。仙骨の下連なるのがしっぽの名残でもある尾骨。この尾骨もれっきとした骨盤の一部ではありますが、仙骨の一部として考えてください。

この左右の寛骨と中央の仙骨で「骨盤輪」という輪っかの構造を作り、骨盤は上半身の体重を支えています。つまり(左)寛骨+仙骨+(右)寛骨=骨盤となるわけです。

そして左右の寛骨と中央の仙骨をつなぐ関節が前に1つ、後ろに2つあり、それぞれ「恥骨結合」と「仙腸関節」と呼ばれます。このどちらの関節も可動域は小さいものの動きがあり、よっていわゆる骨盤の歪みというものが生じることになります。

寛骨はさらに3つの部分に分けられる

大人の骨盤をX線写真で見ると寛骨は1つの大きな骨でしかありません。ところがこの寛骨、生まれたばかりの赤ちゃんの頃は3つの別々な骨なのです。小腸や大腸などを広く受け止める位置にあるのが「腸骨」。イスに座ると座面に接する骨が「坐骨」。股間の前の方で恥骨結合という関節を作るのが「恥骨」。腸骨+坐骨+恥骨=寛骨になるというわけです。成長するにつれ10代後半頃にこれら3つの骨の癒合が完成して1つの寛骨になるのですが、どうしてこんな仕組みになっているかというと、股関節の凹みを作るためなのです。大腿骨がスポッとはまる股関節の凹みを1つの骨の上に作ろうとすると、おそらく奇形が発生しやすいんでしょうね。

例えば頭蓋骨も大きな球体で孔があちこちに開いている複雑な形をしていますが、複数の骨を成長させながら最終的に癒合させて頭蓋骨を完成させます。それと同じ様に、骨盤も3つの骨を成長させながら1つの寛骨を形作るのです。そしてこの3つの骨の頂点が合わさる位置が股関節の凹みの一番深い所になります。

実は仙骨も5つの骨が1つになって出来上がる

レントゲン写真を眺めていると、若い人の骨盤の場合は仙骨に線が入っていて、まだ完全に1つの骨になっていないケースがよく見られます。10代後半くらいまでだと、S1~S5の番号をふることが出来るくらいはっきりと別れていることも珍しくありません。上に乗っている背骨と同じ様に、仙骨も初めは第1仙椎~第5仙椎から成り立っているのですが、成長とともにゆっくりと癒合していき、大人になるとしっかりした大きな1つの仙骨に仕上がります。

つまり何が言いたいのかというと、骨盤は年齢とともに発達して完成する構造物であるため、若い頃の姿勢の良し悪しが大人になってからの骨盤の形に影響している可能性が高いのです。特にイスに浅く座る姿勢体育座りを長時間続けると骨盤が後傾して腰が丸まり、仙骨と尾骨が内側に押される形になってしまいます。

こんな座り方や、

こんな座り方ばかりしていると、骨盤が後傾して腰や背中がフラットになり、ストレートネックな猫背姿勢の癖がついてしまうのです。大人になってから後悔しても、治すのに時間とお金がかかってしまいますので、背骨や骨盤の形や配列が完成するまでは背骨の土台である骨盤を立てることを意識しておきましょう。

骨盤の構造について

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