首がすわる時にせっかく出来た弯曲を失ってストレートネックになるなんてもったいない…

ストレートネックについて
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背骨の前後方向の弯曲は身体を支えるバネのような役割を果たします

病院で首のX線写真を撮った時に、「ストレートネックですね」と言われたという患者さんは多いです。正常な場合だと頚椎には「前弯」と呼ばれるカーブが存在し、その人が持てるボウリングボールの重さほどの質量がある頭を支える役割を果たしています。バネの役目を果たす前弯が失われてストレートネック化するとどうなるかというと、首の骨で頭の重さを支えるのではなく、首・肩の後ろ側の筋肉で引っ張りながら支えることになってしまうのです。つまりストレートネックになると、首や肩の筋肉が固く緊張したままになりやすく、頭痛や肩こりの原因につながります。

背骨がどのように形作られ、前後の弯曲が出来るのか?

ではその背骨の前後方向のカーブがどのような段階を踏んで作られるのか見てみましょう。

お腹の中にいる胎児の段階だと、背骨はまだCの字型のカーブしか出来ていません。生まれたばかりの赤ちゃんも同じで、抱っこするとまだCの字型に丸まっているのがよく分かります。このCの字型に丸まったカーブを発達の段階から見て一次弯曲と呼びます。

ということは二次弯曲もあるというわけで、一次弯曲とは反対側に作られるカーブを二次弯曲と呼びます。背骨にはこの二次弯曲が2つ形成されるのですが、1つ目は生後3ヶ月前後に頚椎に形成されます。首にこの二次弯曲が出来ると首が安定して頭を支えられるようになり、いわゆる「首がすわった」状態になります。

2つ目の二次弯曲は、月齢12ヶ月前後に腰椎に形成されます。ちょうど立って歩き始める頃ですね。ちなみにまだ立つ事ができず、お座りだったら出来る頃には腰の二次弯曲が少しづつ形成され始めているはずです。お座りとハイハイで腰の筋肉がさらに鍛えられると腰の二次弯曲がさらに強化されてゆきます。

そして腰の二次弯曲が完成に近づいて、上半身の体重を支えられるようになると、立ち上がって歩くことが出来るようになります。これが「腰がすわった」状態になります。

正常な状態であれば首と腰の二次弯曲である前弯と、背中に残った一次弯曲である後弯の3つのカーブで上半身の重さをうまく支えることが出来るのですが、年を取るにつれてこの弯曲を失ったり、逆に弯曲が強くなったりするのです。

頚椎の正常な前弯を失う→ストレートネック化

生後3ヶ月の頃、間違いなくゲット出来たはずの頚椎の前弯が失われると「ストレートネック」であると言われます。この「ストレート」とは横から見たときの頚椎の配列のことを指します。

上のX線写真で正常な頚椎の前弯とストレートネックを比較しています。右の写真では頭蓋骨が第一頚椎(C1)に乗る部分から引いた垂直線がちょうどうまく第一胸椎に伝わっていて、理想的な状態です。これなら首や肩の筋肉を使いすぎて固くなることはあまりありません。

そして左のストレートネックの状態だと、頚椎のバネが全く効いておらず、なにか運動をすると頭の重さが衝撃となってそのまま首の付け根に伝わってしまいます。また、ストレートネックの人はいつも猫背姿勢で頭が前の方に出ていることがほとんどで、首と肩の筋肉に非常に負担がかかります。

大人の男性は6~7kg女性は5~6kgの重さがある頭をずっと支え続けることを考えてみてください。分かりやすく言うと、ボーリングのボールを下から支えてまっすぐ垂直に持つのであればあまり腕の筋肉に負担はかかりません。しかし少しでもボールを斜めに支えようとすると腕の筋肉がプルプルし始めるでしょう。それと同じことが猫背でストレートネックの方の首や肩に起こってしまうのです。

ストレートネックによる症状でお悩みの方はぜひご相談を

ストレートネックと猫背は非常に関連が強く、首の付け根よりも前に頭が出ている猫背姿勢を取り続けていると、まず間違いなくストレートネック化が進んでしまいます。デスクワークでPC作業が長い人や、スマホやゲーム機を手に持って長時間下を見続けている人は頚椎の前弯を失うことになりやすいので気をつけてください。自分自身で気をつけるしかないのですが、お子さんが背中を丸めて猫背になっている場合は保護者の方が注意してあげてください。

すでにストレートネックであると分かっていて、首肩の痛みやコリなどにお悩みの方は当院にご相談ください。おそらくあるはずの首のゆがみを直しながら、ストレートネックを改善させるストレッチなどを用いて、頚椎の前弯が復活するようお手伝いさせていただきます。

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