骨盤を整えることで得られる10のメリット

骨盤を整える
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見た目、身体の動き、肩こりや腰痛などの症状と骨盤の状態は密接な関係にあります

当院は2008年の開業以来数多くの「骨盤矯正」の施術をおこなってまいりました。よほど症状がひどくない限り、初回来院時に姿勢検査を行なうのですが、一番よく見かける姿勢が「猫背で反り腰」のパターンです。上のイラストで左側に描かれている姿勢ですね。お腹が出っ張っていて、背中の上の方が丸まった猫背で頭が前に突き出しています。肩こりや腰痛などの症状自体は様々な原因が考えられますが、実は結構な割合で骨盤のゆがみから来ているのではないでしょうか?骨盤を整えるとどのような効果が得られるのか、考えてみたいと思います。

骨盤のゆがみがあると発生しやすい問題点

  • 首が前に出て猫背になる
  • 腹が出てくる
  • 乳房が垂れる
  • お尻が下がる
  • 脚の長さが左右で違う
  • 肩の高さが左右で大きく異なる
  • ガニ股や内股歩きになる
  • 頭痛・肩こり・首の痛み・腰痛が生じる
  • 息が浅い
  • 運動能力が下がる

骨盤がちゃんと正しい位置にない場合、おおよそこのような症状や身体の不調が起こることが多いでしょう。骨盤のゆがみには骨盤の前傾・後傾・ねじれによる左右の傾きがありますので、実際には色々な症状のパターンがあります。

骨盤が正しい位置にあると得られる利点

  • 猫背が改善すると背が高くなる
  • 腹が凹む
  • 胸を張りやすくなる
  • お尻が上がる
  • 脚の長さが左右で揃う
  • 肩の高さがだいたい同じになる
  • 歩き方が自然になる
  • 頭痛・肩こり・首の痛み・腰痛が起こりにくい
  • 肺活量が増える
  • 身体を動かしやすくなり、運動能力が向上する

骨盤がバランスの取れた正しい位置に収まると、身体の不調や症状が起こりにくくなります。

骨盤を整えると得られる10のメリット

骨盤を整えることで得られるメリットは何なのか、知っておくと骨盤矯正を受け始めるキッカケになります。

メリット1. 姿勢が良くなり、背が高くなる

1990年代半ばから携帯電話が普及し始め、スマホに取って代わられると誰もが一日中下を向いてスマホの画面を眺めるようになってしまいました。カタカナと数字の表示しかできなかった携帯の頃は、ずーっと携帯の画面を見つめるなんとことはありえなかったんですけどね。

骨盤を横から見て、前傾し過ぎていても後傾し過ぎていても、「反り腰」になってしまい、その反動で背中が丸まっているケースはよく見られます。反り腰が強いせいで背中の上、肩甲骨の辺りが後ろに来すぎると、今度は逆に頭が前に突き出される形になります。この猫背がある所へ「スマホ首」の習慣が加わると、頭頂部の位置がさらに低くなってしまいます。

スマホの画面を見過ぎないようにすることは本人の意志の力次第ですが、背骨の反りや丸まりのカーブの強さが骨盤から来ている場合、骨盤の位置を整えることで見た目上の身長を伸ばすことが出来ます。

メリット2. 出っ腹が凹む

横から見た時の骨盤の正しい位置とは一体どこなのでしょうか?それは骨盤の前傾と後傾のちょうど中間で少しだけ前傾した状態。極端な前傾や後傾が無い状態が骨盤のバランスが取れた正しい位置です。この写真のように、骨盤が後傾し過ぎると恥骨部が前に突き出してくるため、下腹部の出っ腹が目立ってしまいます。それに対して骨盤の前傾が過ぎると、上腹部の出っ腹が目立ってしまいます。

骨盤前傾と後傾のどちらがマシかというと、骨盤前傾による出っ腹のほうがまだマシです。骨盤が前に傾くと反り腰が強くなって上腹部が前に押し出されるものの、腹横筋で押さえ込む事ができるからです。骨盤後傾による下腹部出っ腹は胴長短足に見えてしまいますし、腹筋の力で凹ませようとしてもなかなか力の入らない部位でもあります。腹筋で凹ませようとしても凹んでくれない出っ腹は、まず骨盤から位置を整えてみることを考えてみましょう。

メリット3. 胸を張りやすくなる

背中が丸まった猫背の姿勢を改善すると、要は背すじが伸びた状態になります。背すじが伸びて丸まった肩を広げることが出来るようになると、胸を張りやすくなり、バストの位置も高くなります。男性だと大胸筋を目立たせる感じですね。背中が丸まった猫背でさらに肩も丸まっているとどうしても胸の皮膚がたるんでしまいますので、胸をキレイに見せるためには男女問わず良い姿勢をキープするようにしましょう。これも骨盤の傾きが強すぎて腰の反りが強くなり、猫背がひどくなっている場合は、骨盤から調整していく必要があります。土台が歪んでいるのに胸だけ張ろうとしても、かえって疲れるだけです。

メリット4. お尻が上がって美尻になる

引き締まったお尻の筋肉の土台は骨盤と大腿骨です。骨盤が正しい位置にあれば左右のバランスも整い、左右でお尻の高さが違うなどということも起こりません。そしてお尻の見た目がいちばんよろしくないのが骨盤後傾による垂れたお尻。骨盤が後ろに傾きすぎるとお尻の位置が通常より低くなってしまうのです。しかもお尻と太ももの境界があいまいになり、だらーんと垂れたお尻のだらしないヒップラインになってしまいます。それに対して、骨盤が前傾しすぎるとお尻が突き出るのですが、太もも裏のハムストリングが引っ張られて固くなりやすいため、腰痛が起こりやすくなります。

メリット5. 脚の長さが揃う

カイロプラクティックや整体院で脚の長さをチェックされて、「右脚が短いですね~」などと言われたことはありませんか?パンツの裾の長さが左右で違って見えたり、靴底の減り方が左右で大きく違っていたりするのも「脚長差」がある証拠です。大腿骨や脛骨の骨の長さが左右で違うケースも稀にありますが、脚長差はほとんどのケースで骨盤のねじれの歪みから起こります。脚を組むクセなど、骨盤にねじれが生じた状態で固定する時間が長かったりすると、骨盤の関節の動きが悪くなり、ねじれの歪みが生じたまま固くなってしまいます。骨盤がねじれていると、脚の付け根の股関節の高さに違いが生じてしまい、見た目上の脚の長さが左右で違うということが起こってしまうのです。これも骨盤を整えるとちゃんと揃えることが出来るでしょう。

メリット6. 左右の肩の高さがだいたい揃う

肩の高さの違いが、骨盤のねじれのせいで「脚長差」から来ている場合、骨盤を整えると肩の高さも左右で揃えやすくなります。背骨が左右方向に曲がってしまう「側弯症」が絡んでいるケースもありますが、骨盤のねじれの歪みのため一時的に背骨が横に曲がって肩の高さに違いが出ている場合、骨盤を整えると肩の高さがスッキリと揃うことが多いですね。ただし骨盤のねじれが無く、背骨の構造的な側弯症があって肩の高さの違いが目立っている場合、ヘタに肩の高さを揃えようとしない方がいいでしょう。かえって他の部位が痛くなります。

ちなみに利き腕側の肩周りの筋肉の方は締まっていることが多いため、利き腕側の肩関節の位置が少し低いのは普通です。

メリット7. 歩き方がキレイになる

骨盤が後傾しすぎていると大腿骨が外側に開いてしまい、膝が外側に出たガニ股歩きをしてしまいがち。オッサンぽいというか、ヤクザっぽい歩き方になってしまいます。それに対して骨盤が前傾しすぎると脚を前にまっすぐ振り出しにくくなるため、ハイヒールを履いた人のような歩き方になります。骨盤の前傾・後傾がそのままで、脚の筋肉を使って修正しながら歩くと結構疲れやすくなるでしょう。

特に女性で骨盤後傾があり、本来ガニ股でつま先が外を向いているのに内股歩きをする習慣があると、O脚が強くなってしまいます。骨盤が正しい位置にないと股関節・膝・足首、そして脚の筋肉に大きな負担をかけてしまうので、骨盤の位置を確認しておくことは大切なのです。

メリット8. 肩こりや腰痛が起こりにくい

骨盤があるべき位置に正しく収まっていないとどうしてもその代償として身体の他の部位に負担がかかってしまいます。骨盤が後傾すると背中の上部が大きく湾曲し、その代償に頭が前に突き出され、首・肩の筋肉が頑張りすぎてしまうのです。そして肩関節が前に出た「巻き肩」になるとさらに肩こりがひどくなりやすいでしょう。出っ腹やバストの垂れなど、姿勢の悪さとも絡んできます。骨盤の前傾が強い場合、腰椎の前弯が強くなった「反り腰」が目立ちます。これは腰を反らせるための筋肉が絶えず緊張を強いられるため、腰痛を引き起こします。

もちろん肩こりや腰痛の全てが骨盤のゆがみから来ているわけではありませんが、少なくとも骨盤の位置を整えることで、身体の他の部分の筋肉や関節にかかっている負荷を減らすことは可能です。

メリット9. 肺活量が増して呼吸がしやすくなる

背中が丸まった猫背で巻き肩の姿勢のまま深呼吸をしてみてください。背筋が伸びた状態で深呼吸をするより圧倒的に肺活量が少なくなります。ずっとそんな姿勢のまま、例えばPCを使った作業を一日中続けていると頭が次第に働かなくなってくるのではないでしょうか?これは実際に被験者を集めて実験した研究結果でも明らかになっています。骨盤が後継して背中全体が丸まり、イスに浅く座ったまま両腕を前に出して小さなノートPCのキーボードを使っていると必ず呼吸が浅くなります。血中酸素飽和度も下がりますね。

自分でも試してみましたが、座位の姿勢を無理やり極端に悪くするとSpO2は通常時の98%から92%へ下がってしまいました。あらら。92%だと結構息苦しいくらいなので、普通の人はここまで血中酸素飽和度が下がると自然に姿勢を正すでしょう。

デスクワークでしっかり脳を働かせたかったら、骨盤をイスの座面の上でしっかり立たせて背骨の位置も正しくすべきです。運動時も血液中にしっかりと酸素を取り込みたければ、肺が収まっている胸腔の容積を大きくキープしておかなければなりません。やはり骨盤が前傾・後傾しすぎているとどちらでも肺活量が少なくなってしまうので、骨盤の位置を正しく保つことは大事です。

メリット10. 日常生活や運動時のパフォーマンス向上

日常生活で骨盤に力が入る動作といえば、、、座る時と立ち上がる時の動きでしょうか。お尻を下ろす時も上げる時も、骨盤に近い所にある背筋や腹筋、太腿の前後の筋肉を使います。やはり骨盤の前傾・後傾が強いと本来あるべき重心の位置がずれてしまって、手をどこかについて支えにしないと立ったり座ったりしにくくなります。試しに足の裏が滑らない所で、座った状態から勢いをつけず、手を使わず、ゆっくりと立ち上がってみてください。上半身をまっすぐ立てたまま、手を使わず勢いをつけずに立ち上がれる人は、骨盤まわりの関節の動きがスムースで、体幹の筋肉も強いはずです。ヒトの身体の重心はへその下の方、骨盤の中心あたりにあり、特に骨盤が後傾していると重心の位置が大きくずれるため、勢いや手の支えなしにまっすぐ立ち上がることが難しくなります。

ランニングや筋トレ、サイクリング、ダンス、登山やボルダリングの他、ヨガやピラティス、弓道など、骨盤の正しい位置や動きが大切な運動は沢山ありそうです。例えば骨盤のねじれが強いと片方の脚を上げにくかったり蹴り出す動作に力が入りにくかったりするので、競技のパフォーマンスが下がるでしょうね。

当院の患者さんで弓道をたしなむ方がいらっしゃいますが、骨盤のゆがみがあると上半身をひねったまま弓を引く動作を安定して行うのが難しいそうです。ランニングも800m走のようにトラックを反時計回りに走る競技の場合、右脚が長い方が有利になるのかと思えばそんなことは全く無くて、右脚が長く見える骨盤のねじれの歪みがあると、右脚を上げる動作が左脚より小さくなります。反時計回りに周回するので右脚を左脚よりも前に振り出さないといけないのにそれが難しいわけです。敏感な人であれば直線部分でも左右の脚の振り方と蹴り出す力に違いを感じられるでしょう。登山はどうなのかというと、骨盤のねじれの歪みからくる脚長差が大きいまま重い荷物を背負って20~30kmの山道を歩くと、片方の腰が痛くなりますね。ボルダリングでは腕や肩の動きも大事ですが、骨盤が前傾していると脚を振り上げてホールドに引っ掛ける動作が難しくなります。

何か運動をしている方で、もっとパフォーマンスを上げて成績を上げたい、もっと身体の動きを良くしたい、とお考えの方は身体の土台である骨盤のケアから試してみてはいかがでしょうか?ご相談お待ちしています。

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Kawae Noriaki, D.C.
Cleveland University-Kansas City 2003年卒。Doctor of Chiropractic取得。カリフォルニア州開業免許およびカリフォルニア州X線技師免許取得後、現地で4年間臨床経験を積む。 2008年、さいたま市浦和に KAWAEカイロプラクティック開業。
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