手首が痛くて家事が出来ない産後の女性(テニスで手首・肘を痛めたことがある)

手首の小指側の痛み
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手首の小指側のジンジンする痛みを改善

症状:右手首の小指側の我慢できない痛み
年齢・性別・職業:
Tさん 31歳 女性 主婦
経緯:
産後しばらくして右手首の痛みが始まった。最近は肘まで響く。腱鞘炎だと思い、病院で検査を受けたら手首の軟骨が傷ついていると言われた。

まとめると:
●学生時代テニスをしていて、手首の同じ場所が痛くなった事がある。
●妊娠中は大丈夫だったが、産後次第に痛みが強くなってきた。
●病院でもらったサポーターを手首に巻くと楽になる。
●手首の腱鞘炎ではない。
●テニス肘で痛くなる部位にトリガーポイントがある。
●首から手首に拡がる痛みは無い。
●前腕の筋肉へのトリガーポイントセラピーがびっくりするほど良く効いたので、TFCC損傷は元々そんなにひどくなかったのでしょう。

この症例についての施術内容

初回来院時の状態:
左手首の小指側の痛みを何とかしたいとの思いで来院された患者さんのケースです。約10年前の学生時代、テニス部で頑張っていて、手首の同じ場所が痛くなった事が何度かある。当時は湿布を貼って休ませたり、テーピングでしのいでいたそうですが、今は赤ちゃんの世話と家事でどうしても手首に負担がかかって痛みが治まらないとのこと。サポーターで固定すると楽にはなるものの、サポーターの着け外しが頻繁になるとどうしても着けるのが面倒になってしまう。学生時代にカイロプラクティックで腰痛が良くなったのを覚えているので、今回も手首の痛みを注射や手術以外の手段で治したいそうです。

TFCCの痛み

カウンセリング・検査:産後5ヶ月で、背中や肩の丸まりや猫背が目立つ。頸椎の可動域はノーマル。首から手に拡がる痛みやしびれは無し。右肩関節の動きは伸展(後に腕を回す)に若干制限があるものの、よくある程度。肩周りの筋肉、特に棘下筋がコリコリ。棘下筋の固い所、トリガーポイントを押すと上腕へ拡がる痛みがある。手首へは痛みが来ない。肘の尺骨神経をトントン叩いても感覚異常は無し、ティネルサイン(ー)。腱反射(C5,C6,C7)は正常。右手首は痛みのためあまり動かしたくない。「手のひらを机の上につくことはできます?」と聞くと、「絶対痛いです。」とのお答えが。痛みの度合いは10点満点中10/10。病院でX線写真を撮ってもらったが骨には異常無し。TFCC損傷といって、手首の軟骨が傷ついている状態だと診断されたそうです。手首を使いすぎないようにと言われたものの、赤ちゃんがいるのでそうもいかない。右肘から手の方へ5cm程度の部位にトリガーポイントがあり、押すとジンジンする痛みが手首の方へ拡がる。

棘下筋

分析:病院でTFCC損傷と診断を受けており、サポーターを手首に着用して安静を勧められていますが、当院では首・肩・腕の方にも目を向けます。
産後間もない頃から症状が出始めたということで、産後の関節がゆるい時期に赤ちゃんの抱っこなどで急に手首の古傷に負担が掛かりすぎたのがまず第一の原因でしょう。今回のケースとは違いますが、手首に負担が掛かりすぎて腱鞘炎がひどくなっている産後の方は多いですね。手首を動かす筋肉は肘から先の前腕にあり、抱っこや家事などで疲れがたまって固くなりやすい部位です。トリガーポイントが出来て痛みが手の指先まで拡がったりするので、手首を固定して安静にするだけでなく、前腕の筋肉をほぐすのも手首の症状改善につながります。この患者さんの場合、頸椎のゆがみは軽いものの、肩甲骨の棘下筋(きょくかきん)に強いトリガーポイントがあります。この辺もしっかりと治療しなければ腕のだるさがずっと続いてしまいます。

プラン:
頸椎・胸椎のアジャスト。肩甲骨と前腕のトリガーポイントをリリースして手首へと拡がる痛みの緩和を目指す。まずは6回を目安に間隔を詰めて通っていただきます。

1回目(当日): 筋肉のコリに押圧を10秒間ずつ加えながらリリースしていきます。頸椎のC5、胸椎のT4、T7をアジャスト。肩関節、肩甲骨のモビリゼーション。いわゆる「肩甲骨はがし」ですね。手首関節があまり痛くならないように前腕の筋肉をストレッチする方法をお教えしました。

2回目(3日後):開口一番「あの後、手首の痛みがすっごい良くなりました!」。チェックすると、手首を小指側に曲げる尺屈と手の平側に曲げる掌屈で痛みがでるものの、普通に我慢できる程度。痛みの度合いは10段階のペインスケールで1~2/10。手首の小指側にあるTFCCを押すとやはり痛みはあるのですが、やはりそこの靱帯や軟骨の傷はそれほどひどくなかったのでしょう。当院ではこのように症状を軽くすることが出来ます。

3回目(4日後):症状が軽くなったからといって急に無理をしたり、そこにあると分かっているトリガーポイントをそのまま放置すれば育児の疲れによって再び同じ症状が出始めるので、これからしばらく通っていただきます。急に痛みがひどくならない限り、来院間隔を2~3週間に広げても大丈夫です。

産後、育児や家事で手首が痛くてたまらない方、ステロイド注射や手術以外で症状を緩和させる方法があります。子連れでも受付可能な当院へお問い合わせ下さい。

手首の小指側の痛み

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