TFCC損傷について

TFCC損傷

手首の関節(手関節)のねんざには色々なパターンがあります。手関節をひねったり、転んで手をついた時に外傷として起こるねんざ自体は筋肉や靭帯に起こる単純なものですが、手関節は少々複雑な構造をしているため、問診・触診・X線写真でどの骨・靭帯・腱・腱鞘・筋肉・神経に問題があるのか判断します。TFCC損傷はそんな手首のねんざの一つとされています。

TFCCの定義・位置

三角繊維軟骨複合体あまり耳慣れない病名ですね。Triangular FibroCartilage Complexの略がTFCCです。Triangularは「三角の」、Fibroは「繊維」、Cartilageは「軟骨」、Complexは「複合体」という意味で、日本語での名称は「三角繊維軟骨複合体」となります。ここのねんざの特にひどいものを一般の患者さんには通常、TFCC損傷と伝えます。痛みなどが軽ければ手首のねんざですと言われるだけでしょう。TFCCは手首の小指側にあり、小指側の手根骨と尺骨の間にある軟骨や靭帯をひとまとめにしたもの(複合体)です。

どうやってTFCC損傷が起きるのか

いろいろなパターンがあります。転んで手をついた時、ちょうど手首の小指側のTFCCを伸ばしてしまった外傷性のもの。テニスのフォアハンドでボールを打つ時、手首にねじれと圧縮力が加わって受傷するもの。バレーボールやバスケットボールの選手で、ボールを投げたりはじき返す動作の時に痛めてしまった患者さんもいます。当院で最も数が多いのが、手首の使いすぎで発生するTFCC損傷です。特に産後の女性で関節がゆるくなっている時期に、抱っこなど育児や家事で手首を繰り返し曲げ伸ばししすぎて手首を痛めていることが多いです。

症状の特徴と診断

手首の小指側のうずくような痛みが特徴で、ひどいケースだと腫れがみられます。手首を小指側に曲げて(尺屈)さらに軸圧を加えて痛みがひどくなるかどうかチェックする誘発テストで陽性になる所が手根幹症候群や親指のつけ根の腱鞘炎などとの違いになります。

軟骨や靱帯の損傷はX線写真上に写りませんし、初期の骨折はX線写真に写りにくいことがあります。特に転倒して手をついて手首を痛めた場合、最初のX線写真では分からなかった骨折が2~3週間後の写真では仮骨が出来ているのが判明して、実は骨折していた事が分かったりします。

病院や接骨院などでの治療の方法

外傷や使いすぎで痛めたTFCCは固定することで基本的に症状は和らぐはずです。症状の度合いによってギプス、サポーター、テーピングなどを用いて、固定の強さを変えることになります。テーピングが一番弱い固定法ですね。

当院のTFCC損傷に対する施術

整形外科などでTFCC損傷と診断を受けていて、X線写真上で骨折があることが分かっていたり、MRIで靱帯や軟骨をチェックして亀裂などが見つかった方はしっかりと固定を続けておいて下さい。ただし固定もやり過ぎると、手首を動かす筋肉が固まってしまい、TFCC損傷自体は良くなっているはずなのに痛みが取れないという事も起こりえます。

TFCC関連のトリガーポイント

当院ではTFCCの痛みがなかなか良くならずに困っている方の症状緩和のためのお手伝いができます。転倒時に手をついたり、手首の使いすぎで痛くなった場合、TFCC自体の損傷があまり無くても前腕の筋肉が緊張して固くなっています。前腕の筋肉の繊維の一部がこり固まって出来た「トリガーポイント」が手首の小指側に痛みを飛ばしているケースが結構あり、これがなかなか良くならないTFCC損傷の正体です。

上の写真をご覧下さい。手首の小指側に痛みを飛ばすトリガーポイントの位置は昔から知られています。実際に「×」の部位を触ってみてコリコリする筋肉の繊維に触れる事が出来る場合はさらにぐーっと押してみて下さい。押すと手首の小指側に痛みが出る場合、それはトリガーポイントです。TFCCの部位に痛みを飛ばすトリガーポイントが発生する筋肉は2つあります。

テニスのバックハンドなどの手首を返すような動作を繰り返すと、「尺側手根伸筋」にトリガーポイントが発生していわゆるテニス肘になります。それに対してテニスのフォアハンドやゴルフのスイング時に力が入って固くなるのが「尺側手根屈筋」で、いわゆるゴルフ肘です。テニス肘やゴルフ肘の症状の場合、どちらも肘の痛みがメインになりますが、手首に痛みが飛んでくることもあり得ます。

なかなか治らないTFCC損傷でお悩みの患者さんへの施術を当院ではトリガーポイントセラピーを用いておこないます。押す場所さえ憶えてしまえば患者さん自身でも出来る事なので、施術時に押すべきトリガーポイントの位置や、押す時の指の使い方のコツをお教えできます。腕の筋肉が強ばっている方は、首・肩もこり固まっていますので肩甲骨周りや首のつけ根の筋肉へもアプローチします。さらに触診で頸椎や胸椎の関節の動きの悪さやゆがみがだいたいのケースで見つかりますので、背骨の方もアジャストしてほぐしておきましょう。

1回の施術で治ればベストですが、実際はそんなに上手くいきません。ほとんどのケースで症状が慢性化していますので、施術の間隔を開けすぎないよう、5~6回を目安に来院していただきます。TFCCの痛みがなかなか治らないせいで手術をすることになるかもしれない方、このトリガーポイントが悪さをしている場合は改善する可能性が高いので当院にお問い合わせ下さい。

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コメント

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  • コメント (6)

    • tanukineko
    • 2016年 6月 26日

    一昨年から手首の小指側が痛くなり、色々治療を受けてきましたが全く良くならずに困っています。先週初めてMRIの検査を受けてみて病院の先生にTFCC損傷だと告げられました。手術をする話になっていてまだ決めかねています。
    こちらのホームページの写真で❌印が付いている所を試しに押してみると確かに小指側へビリビリ痛みが出てきます。やり方を詳しく知りたいので相談させてください。よろしくお願いします。

  1. noriaki kawae
    • noriaki kawae
    • 2016年 6月 27日

    tanukinekoさん、
    お問い合わせありがとうございます。遅くなりましたがメールで返信いたしました。参考にしてみてください。TFCC損傷についての問い合わせが結構多いのに驚いています。少しでも症状の改善につながれば幸いです。

    • tanukineko
    • 2016年 7月 04日

    @noriaki kawae
    メールでのやりとり、詳しく教えていただいてありがとうございました。参考にさせていただきます。

    たぬきねこ@静岡県掛川

    • まき
    • 2017年 2月 17日

    こんにちは。
    TFCCの痛みで検索をしていて見つけました。

    TFCCと判断されたのはもう4年も前になります。
    当初は、コップも持てず、眠ることもままならない痛みでした。

    冬場や、手首を普段以上に使ってしまうと当時の恐ろしい痛みがやってきます。
    そして、肩甲骨の下が必ず痛みます。
    息をすることもきついほどです。

    私のような方もいるのでしょうか。
    普段なるべく使わないようにしていることがいけないのでしょうか。

    当時は、尺骨を削るしかないと言われましたが手術はしておりません。

  2. noriaki kawae
    • noriaki kawae
    • 2017年 3月 12日

    @まき
    返事が遅れてすみません。
    痛みの度合いにはもちろん個人差がありますが、ほとんどのTFCC損傷の患者さんには肩甲骨・肩関節・頸椎・胸椎の可動域に問題がありますね。
    まきさんのおっしゃるような、息をするのもつらい痛みが肋間筋などの筋肉・肋骨・背骨の関節などのどこから来ているのか実際にみてみないと分かりません。痛いからといって動かさないでいると凍結肩など他の二次的な問題も起こってくるでしょう。

    • クロミ
    • 2017年 5月 09日

    はじまして。TFCC損傷の波のある痛みに数年悩んでおります。
    重症ではないのでテーピングをしたりしなかったりなのですが、時折箸を持つのも辛く辟易してしまいます。
    トリガーポイントの位置がまさにそれでしたので、
    是非一度診て頂きたいのですが、遠方故にとても通うことが出来ません。
    私にも詳しいマッサージ法を教えてくださいますでしょうか。
    よろしくお願い致します。

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