カイロプラクティック的な考え方による腸脛靭帯炎(ランナー膝)の改善
骨盤の横から膝関節を過ぎて脛骨までつながる腸脛(ちょうけい)靱帯という組織があります。これは骨盤の腸骨から脛骨につながる筋肉と靱帯で、膝関節の外側で摩擦が強すぎると炎症によって痛みが起こりやすいところです。この症状はランナー膝とも呼ばれたりしますが、例えば庭仕事で膝をついて作業を長時間していたり、旅館の仲居さんのようにお座敷で膝をつく動作が多い人にも見られる症状です。初期の段階だとランニングなどの後に圧痛がありますが休むと消えます。しかしランニングなど膝に負荷のかかる運動を続けていると痛みがなかなか消えなくなり慢性化してしまいます。膝の使いすぎによって悪化する症状なので安静にする必要がありますが、こまめなストレッチや骨盤矯正によって改善を目指すことができます。
膝の痛みの原因はいろいろありますが、以下の3点が確認出来る場合は腸脛靱帯炎でしょう
- 膝の関節の外側が痛い
- 長距離走者である。(もしくは膝の曲げ伸ばしが多いなど、膝に負担のかかる職業についている)
- X線写真では骨に異常なし
当院の患者さんで腸脛靱帯炎が疑われる方のお話を聞くと下記のような要因があるようです
- 脚長差があり身体の左右のバランスが悪い
- 同様の理由で中殿筋(骨盤の横の筋肉)が固い
- O脚のため腸脛靱帯が膝の外側でこすれやすい
- 膝の屈伸動作が多すぎる(マラソンランナーなど)
- 衝撃吸収性能が悪い靴を履いて長時間走ってしまった。
- トレイルランニングなど、凹凸の激しい場所を長距離走ってしまった。
- 膝の前十字靱帯損傷の既往歴があり、元々膝関節が不安定である。
- ロードバイク(自転車)などで長距離走った。
腸脛靱帯炎を発症しやすいスポーツ
長時間にわたって膝の屈伸運動を繰り返すことが多い下記のようなスポーツを続けていると、腸脛靭帯炎になりやすいようです。
- 長距離走
- トレイルランニング
- 自転車競技
- バスケットボール
- バレーボール
- サッカー
腸脛靱帯炎の症状
- 膝関節の外側に大腿骨外側顆と呼ばれる突起があり、そこが痛い(初期)
- 膝の外側だけではなく、脚の外側が全体的に痛い
- ランニング中、膝から下を前に振り出す動作時に痛い
- 膝の屈伸時にパキンパキンと繰り返し音がする
こうした症状や特徴がある膝関節外側の痛みにお悩みの方、腸脛靱帯炎は脚長差の原因でもある骨盤の歪みやそれに伴う筋肉の過緊張によっても起きますので根本的に改善させたい場合はいつでも当院にお問い合わせください。
当院での対処法
急性の場合:骨盤、背骨、膝関節へのアジャストをおこない、下肢への負荷が左右均等になるよう調整します。アイシングやストレッチのやり方についても指導し、自宅でのセルフケアもおこなってもらいます。腸脛靱帯炎は基本的に膝の屈伸が多すぎることによって起きるため、膝を使いすぎる動作を意識的に抑えてもらいます。
急性期を過ぎてある程度痛みが落ち着いた後:大腿四頭筋、ハムストリングや股関節の外転筋である腸脛靱帯と殿筋の筋膜リリース、骨盤矯正による脚長差の調整を行い、自宅でのストレッチを継続してもらいます。
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