産後3ヶ月、なかなか良くならない腰痛としびれ感を何とかしたい

産後の腰痛としびれ
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産後の腰痛と梨状筋症候群によるお尻の痛み・太腿のしびれ感

症状:腰痛、左のお尻~太腿の後にかけてしびれ感。
年齢・性別・職業:
Oさん 32歳 女性 育休中の会社員
経緯:
産後3ヶ月になるが、妊娠後期から始まった腰痛がひどくなっている。自分の腰の調子があまり良くない事は知っているので骨盤矯正をしっかり受けたい

まとめると:
●妊娠後期から腰痛が始まった。
●産後3ヶ月、育休中。
●産後、左殿部と左太腿の裏側にしびれ感が出始めた。
●骨盤のゆがみが元々ひどかった模様。
●ヘルニアではなく梨状筋症候群。
●腰方形筋と梨状筋のトリガーポイントが目立つ。
●トコちゃんベルトを着用すると楽になる。
●骨盤のゆがみをアジャストして梨状筋をリリースすると症状が改善。
●症状が良くなった後も産後の育児疲れの緩和のため、継続して来ていただいている。

この症例についての施術内容

初回来院時の状態:
3ヶ月前に自然分娩で出産。妊娠後期から腰痛が始まったが、産後に良くなるよと言われてそのまま放置していた。産後1週間で退院してしばらく経っても腰痛は良くならず、左殿部と左の大腿裏側にしびれ感が出始めた。ヘルニアではないかと思い、電話予約をして来院。赤ちゃんは母親に預けて来こられました。来院時の歩き方などに異常は無し。ご友人に譲ってもらったトコちゃんベルトを着けると楽になる。睡眠中に寝返りをうつと痛くて目がさめてしまう。赤ちゃんのお世話に集中していると少々の痛みを我慢することはできる。妊娠する前から靴底の減り方やパンツの裾の長さに違いが有り、スカートがクルクル回りやすかった。以前から骨盤にゆがみがあるんだろうな~とは感じていたので産後のこの機会にしっかり骨盤矯正を受けたい。腰痛が始まったのは妊娠28週頃からで、現在の痛みの強さは10点満点中7/10。左のお尻~太腿の裏側のしびれ感は5-6/10。

梨状筋

カウンセリング・検査:
姿勢をチェックすると産後の女性に特有の反り腰と猫背の組み合わせ。腹筋が弱く腰が反り、肩甲骨の間で後弯が強くなって頭が前へ出すぎている状態。椎間板ヘルニアの既往歴は無しで、持病も特に無し。腰椎の屈曲・伸展が痛みのためあまり出来ない。腰を左に曲げると左殿部に痛みが走る。骨盤の関節も動きが悪く、両側の梨状筋と左側の腰方形筋が特に固くなっていて、押すと「う”~~」と声が聞こえてきました。左の座骨神経を押すと痛み・しびれ感が強くなる。脚の長さをチェックすると右脚が約1.5cm短く、右の仙腸関節がPIでフィックスしている。腱反射(L5・S1)や筋力テスト(L4・L5・S1)はノーマル正常。跛行(はこう:足を引きずって歩く事)や知覚異常(触られても何も感じないなど)は無し。ヘルニアの可能性は無いと思う。

腰方形筋

分析:
腰痛や左側のお尻・太腿のしびれ感は主に両側の梨状筋と左側の腰方形筋のトリガーポイントから来ている。骨盤のゆがみも結構強く、脚の長さの違いが目立っていて、そのバランスを取るため、特に腰の左側に負担が掛かりすぎている。産後の関節のゆるみも影響している。各種整形外科的テストの結果から椎間板ヘルニアではないと判断できるので、この患者さんの訴える左殿部~太腿のしびれ感は梨状筋症候群によるものと思われます。

プラン:
トリガーポイントをリリースし、骨盤の右仙腸関節、L5、T5、をアジャスト。骨盤のゆがみを整え、産後の姿勢の悪さの改善も同時に目指す。痛みが強めなのでしっかりと継続的に6回は通っていただく。産後の方特有の反り腰と猫背改善のためのストレッチもお教えする。

1回目(当日): 筋肉のコリをリリースしながら上記の部位へカイロプラクティック・アジャストメントをおこなった。梨状筋や腰方形筋のトリガーポイントが緩和されると可動域が改善し、腰椎の可動域も拡がりました。ストレッチ等のエクササイズ指導は次回から。

2回目(4日後):左殿部のしびれ感・腰痛は改善したが、今度は右側が痛いとのこと。脚長差は1.5cm→1.0cm。腰痛の程度は4-5/10、殿部のしびれ感は5/10。右仙腸関節の可動域は改善しているがまだフィックス感が強い。腰回りの筋肉の硬結を押すとしびれ感が左大腿裏側に拡がる。前回の施術の後2日間は腰がスッキリしていたが、抱っこ、授乳など育児で疲れが溜まって次第に辛くなってきたそうです。寝返りをすると痛くて目がさめる事はこの4日間無かった。右仙腸関節・L5・T7・T5・C5をアジャスト。姿勢改善のためのエクササイズ指導をおこなった。

3回目(4日後):腰痛はまだあるが、殿部のしびれ感は長時間座り続けない限り、出なくなった。腰痛は3/10、臀部のしびれ感は1-2/10。今まであまり気にしていなかった肩こりをついでに改善させたい。腰の可動域は改善して、屈曲・側屈時の腰や臀部の痛みは減少。両側の仙腸関節・L5・T7・C5をアジャスト。バランスボールを使った筋トレ&ストレッチ。

4回目(5日後): 1週間後の予定だったが、昨夜、赤ちゃんを抱っこしたまま階段を上ろうとした時に腰をひねって急に痛くなったため急遽来院。腰痛は8-9/10。お尻・太腿へのしびれは無い。イスから立ち上がる時痛い。脚の長さは左右同じになった。両側仙腸関節・L4・T7・C5をアジャスト。腰方形筋の緊張をゆっくり解く。腰方形筋のストレッチ指導。
5回目(4日後):腰痛はまだあるものの、痛みの強さはひどい時で3-4/10、普段は2-3/10。しびれ感は無し。腰椎の過度な前弯(反り腰)がとれてきた。姿勢の再チェックと指導。友人の妊婦さんを紹介していただきました。ありがとうございます~。左仙骨翼・L5・T7・C7をアジャスト。仙骨へのアジャストが効いたらしく、痛みが消失。次回は1週間後で様子を見ながら次第にメンテナンスケアへ移行したいと思います。

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