パソコンの使いすぎで、夕方になると首と肩のコリと頭痛がつらい

つらい肩こりと頭痛の改善
目次

締め付けるような緊張性頭痛が良くなったケース

症状:次第にひどくなる頭痛・肩こり・眼の疲れ
年齢・性別・職業:
Nさん・35歳・男性・会社員
経緯:
PCを使ったデスクワークが主な業務。最近夕方になると首肩周りの疲れがひどい。

まとめると:
●毎日のPC作業で首肩がつらい。
●夕方になると頭痛も出てくる。
●頭痛はいつも頭を両側から締め付けるようなパターン。
●痛み止めを服用する事もあるが、出来れば薬に頼りたくない。
●腰椎椎間板ヘルニアの既往歴あり。腰は気をつけているので今は大丈夫。
●猫背姿勢が強く、頸椎、胸椎のゆがみがある。

この症例についての施術内容

初回来院時の状態:
お仕事は朝から夜までパソコンを使った作業。1日中データ入力をしていると休憩せずに何時間も座りっぱなしの事も多い。腰のヘルニアをやった事があるので、腰が丸まらないよう気を付けている。腰痛はあまり気にならないレベル。夕方になってくると首肩のだるさがひどくなってきて仕事に集中できないので困っている。肩こりがひどくなるにつれ、頭痛も時々起きる。鎮痛剤を飲む事もあるが、毎日薬に頼るようにはなりたくない。頭痛はいつも頭の周囲を締め付けるような感じで、鈍い痛みがしばらく続く。帰宅してお風呂につかると良くなる事も多いが、翌朝も痛みが続いている時もある。仕事中、気がつくと猫背になっていて何とかしたい。会社の健康診断で血圧やその他の数値は正常範囲内。運動は普段していない。

肩甲挙筋のトリガーポイント

カウンセリング・検査:
まずお話を色々聞いてみると、あまり休憩も取らず本当に1日中PCとにらめっこしているそうです。首・肩の鈍痛・疲れのひどさを10点満点で示していただくと、5/10程度。頭痛はひどいと7~8/10。姿勢をチェックしてみると、胸椎がフラットすぎて自然な丸まりが無い状態です。頭がそのまま前に突き出ていて、頸椎の自然なカーブ(前弯)が無い。頸椎の動き(可動域)をみると、左右の側屈が筋肉のつっぱり感のため減少。天井を見上げてもらうと、首の付け根のあたりに鈍痛が生じる。左右に首を回すと両側で鈍痛あり。後頭下筋群・肩甲挙筋・僧帽筋の緊張が強く、トリガーポイントも両側に複数あります。肩甲挙筋がいちばん固いかな。肘の辺りをハンマーでトントン叩く腱反射テスト(C5・C6・C7)はノーマル。C2およびC5の棘突起を押すと強い圧痛あり。手・腕へ拡がるような神経痛は無いようです。

後頭下筋群の痛みと頭痛

分析:
仕事中の姿勢を再現していただくと、背中と肩が丸まり、頭が前に突き出た状態で両手を前に出してキーボードを操作している形でした。頭の重さは成人男性で約6~7kgあり、さらに両腕の重さが首の付け根や肩甲骨周りに掛かっている状態なので、これを毎日何時間も繰り返していれば筋肉のコリもひどくなるし、バランス悪く固くなった筋肉に引っ張られた脊椎の関節が歪んだ状態になってしまうでしょう。キーボードの位置が悪すぎるようなので、パソコン作業時の正しい姿勢を指導しておきました。両腕がまっすぐ伸びてキーボードを机の奥の方で操作していると、テコの原理で腕の重さの数倍の力が肩周りの筋肉にかかってしまいます。
頭痛は典型的な緊張性頭痛で、頭を両側から締め付けるようなタイプ。C1・C2を触診してみると結構ゆがみが大きい。後頭下筋群を押すと強い圧痛があり、鈍い痛みが頭の横やこめかみの方に拡がってくるそうです。

プラン:
首肩周りのトリガーポイントをリリースしながら、C2、C5、T7へのカイロプラクティック・アジャストメント。慢性化した症状なのですぐに良くなるものではないこと、仕事中の姿勢について気をつけたり、PC作業中は1時間に1回の休憩を入れてストレッチなどを必ずする必要がある事を説明しました。平日の夜もなかなか来られないそうなので、毎週末、まずは5~6回を目安に通っていただきます。

下記のような手順で一通りの施術を行いました

1回目(当日): 後頭下筋群と肩甲挙筋のトリガーポイントをしっかりとリリースしながらC2、C5、T7をアジャスト。頸椎、肩関節、肩甲骨の動きは良くなった。仕事中に出来るストレッチのやり方をお教えしました。

2回目(7日後): 仕事の都合があり1週間後に来院。頸椎の可動域は改善したものの、筋肉のコリがまだ取れず、首を前後左右に曲げたり左右に回すと鈍痛を伴う。前回の施術を受けた次の日、首の痛みと右上腕のしびれ感があったが、その翌日には無くなった。現在の首・肩コリのひどさは4-5/10。3日前に3-4/10位の強さの頭痛があった。T7・ T5・C5・C2をアジャスト。バランスボールを使ったストレッチを一緒にやりました。

3回目(7日後): 再び週末に来院。頭痛の頻度・強さは明らかに減少した。週の前半は調子が良かったが、木・金は疲れが溜まってきて首・肩こりが気になってしまう。1回目の施術後に感じたしびれ感はその後まったく無いそうです。頸椎の可動域の側屈は両側でノーマルになりました。僧帽筋・肩甲挙筋の筋肉の硬結も初回と比べると大幅に緩んでいます。T5・C5・C2・後頭骨をアジャスト。バランスボールを使ったストレッチ。

4回目(7日後): 疲れ感が首・肩にあるものの、仕事中にひどい頭痛で悩まされることは全く無くなった。首・肩の痛み・疲れ感は2-3/10。T10・T7・T5・C7・C5をアジャスト。

5回目(7日後): 頭痛は無し。姿勢の再チェックと指導。上部胸椎のカチカチ感が減少。以前は首・肩の筋肉が全体的に固くなっていたが、触診すると筋肉のコリが「動く」様になってきた。猫背は改善しつつある。この患者さんへのアジャスト箇所は毎回ほぼ同じ。次回は2週間後で、その後は月1回程度のメインテナンス・ケアに移行予定です。

PCを長時間使うデスクワークの方は姿勢に気をつけましょう

特にノートパソコンを使う方は注意が必要です。デスクトップPCと比べてキーボードの横幅が狭く、モニターとキーボードがくっついているノートパソコンを長時間使っていると、どうしても背中と肩が丸まってしまいます。1時間に1回は猫背姿勢で固くなる筋肉(特に首の付け根、肩甲骨の間、大胸筋の付け根)をストレッチしてほぐしておくと良いでしょう。それでも固くなった筋肉に引っ張られて背骨にゆがみが発生したりしますので、また症状がひどくならないうちに背骨や骨盤の調整を受けるようにしておきましょう。

つらい肩こりと頭痛の改善

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よければシェアしてくださいませ~
  • URLをコピーしました!

コメントをどうぞ

コメントする

目次