椎間板ヘルニアによる腰痛と座骨神経痛

椎間板ヘルニアと坐骨神経痛
目次

椎間板ヘルニアの再発、すぐに良くならなくてもいいから痛みを和らげたい

症状:腰痛と右大腿のしびれ
年齢・性別・職業:
Uさん 41歳 男性 会社員
経緯:
約20年前に椎間板ヘルニアの既往歴あり。2週間前にギックリ腰になってしまい、病院で検査を受けたら椎間板ヘルニアと診断された。

まとめると:
●営業職で毎日車を長時間運転。オフィスでも外でもノートPCを使っている。
●20代初めに椎間板ヘルニアの既往歴。程度は軽いと言われたが、痛みはひどかった。今回のヘルニアは前回とほぼ同じ場所だと思う。手術歴は無し。
●2週間前のギックリ腰以来、刺すような腰痛と右大腿背側のしびれ感が続いている。
●現在は鎮痛剤とコルセットで対処中。
●福岡でカイロプラクティックのクリニックに通っていた事がある。

この症例についての施術内容

初回来院時の状態:
鎮痛剤の効果があり、コルセットで腰の付け根をしっかり固定していたので、痛そうにしているものの歩いて来院。薬が切れるのが怖いそうです。右側の腰痛が刺すように痛むのと、右太腿の裏側のしびれ感が強い。すぐに良くならなくてもいいから痛みを和らげたい。つま先の方のしびれ感はあまり強くない。歩く時につまずく事や、股間のしびれ感は無い。

カウンセリング・検査:
営業のお仕事で、毎日車を運転しているため元々腰痛が慢性化していた。運動は特にしていない。オフィスでも外でもノートパソコンを使っていて、肩・背中・腰が丸まりやすいのは自覚している。2週間前のギックリ腰のキッカケは特に無く、「なんか急に痛くなった」とのこと。病院でX線・MRI検査を受けてL4椎間板ヘルニアと診断された。鎮痛剤の服用とコルセットの着用で何とか仕事をこなせている。以前住んでいた福岡でカイロプラクティックに通っていた事があり、当院をネットで見つけて来院。X線とMRIの写真をCDで持参していただけました。20代初めの学生時代に椎間板ヘルニアをやってしまった事があり、今回の症状とほぼ同じ。当時も治療は痛み止めを処方された程度だったそうです。手術歴は無し。
痛みの度合いを10点満点で示してもらうと、今は7~8/10。2週間前のギックリ腰直後はもちろん10/10だった。コルセットを外すと痛みが強いので、今回は姿勢分析を省略。整形外科的テストの結果を列挙すると、SLR:20°-30°で(+)、ラセーグ(+)、WLR(+)、バルサルバ(+)、馬尾症状(-)、右L4腱反射(2+)。S1腱反射両側とも(3+)。L5のデルマトーム(膝より下、足の甲、親指のエリア)のしびれや知覚異常はあまり目立たない。骨盤が後傾し、腰椎が後弯していて通常ある前弯が無い。約20年前のヘルニアの際、病院の先生に背骨がまっすぐ過ぎると言われたことがある。腰方形筋・腸腰筋・中殿筋・梨状筋が両側でガチガチに緊張しているが、おそらく慢性化したコリ。脚長差あり。

分析:
膨隆型のL4椎間板ヘルニアが右側にあり、L5の神経根を軽く圧迫している。自覚症状は右側の鋭い腰痛と右側殿部~大腿背側のしびれ感ということで、足の親指の筋力が落ちたりL5デルマトームの知覚異常がハッキリ出るような状態ではない。股間の知覚異常や失禁なども無し。脱出型のヘルニアほど症状はきつくないものの、長引く可能性のある今回の症状の改善を目指していきたいと思います。

膨隆型のL4椎間板ヘルニアが右側にあり、L5の神経根を軽く圧迫している。自覚症状は右側の鋭い腰痛と右側殿部~大腿背側のしびれ感ということで、足の親指の筋力

プラン:
まず力が入りすぎてこり固まった筋肉をほぐしながら、トリガーポイントをリリースしていきます。初期はSOTブロックで骨盤のねじれを調整。症状が軽くなってきたらアジャスト。症状が強いので2日後にまた来院してもらって様子を見ます。

下記のような来院頻度と回数で施術をおこないました

1回目(当日): まずアイシング、温熱療法とトリガーポイントセラピーの組み合わせで筋肉のコリを解く。ブロッキングで骨盤を調整。C6・C4を軽めにアジャスト。腰椎にディスクパンプ・テクニックを使用。椎間板ヘルニアの仕組み、施術の方針について説明。帰り際には腰痛の度合いが5-6/10へ改善。

2回目(3日後): 腰の痛みを避ける姿勢を取る必要が減った。前回の施術後調子が良くなったが、箱根へ車で往復する仕事が本日あったため長時間のドライブで痛みは悪化。今日の痛みの度合いは7/10。右大腿裏側しびれ感は改善している。右仙腸関節、T7・T4・C6・C4をアジャスト。ディスクパンプ・テクニック。椎間板ヘルニアの回復にかかる時間を短縮するための背骨体操を指導。運転中の腰痛予防法について指導。

腹横筋

3回目(3日後):平日は仕事の後に来院。腰痛は3-4/10で以前ほど気にならなくなった。車の座席の座り方を工夫しただけでも大分違うとのこと。腰を右に曲げると右大腿裏側への放散痛がまだ発生するものの、我慢できる程度の痛み。筋肉の緊張も解けて側屈・回旋共に可動域が改善。仙腸関節・T5・C6・C4をアジャスト。ディスクパンプ・テクニック。腹筋が弱いので腹横筋の鍛え方を指導。

4回目(7日後): 通院間隔を1週間に延ばした。腰痛の度合いは5-6/10。やはり車の運転をしているとつらくなってくる。腰を丸めたり右に曲げたりしなければ右大腿裏側の痛みの度合いは1-2/10。今回はL5もアジャスト。ディスクパンプは無し。エクササイズボール&ストレッチポールでストレッチと筋トレの指導。

5回目(7日後):運転後の疲れ感はあるが、初期のひどい痛みは消失した。腰痛は3/10。太腿の痛みは1-2/10で何となく気になる程度。初回にできなかった姿勢分析を改めて次回おこなうことにする。次回は2週間後。施術の間隔を拡げながら様子を見ることにします。

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